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スイス型自動旋盤「SV-20R」を発売

2016年2月24日

~B軸制御搭載のSVシリーズに ø20mm仕様をラインアップ~



当社は、スイス型自動旋盤(注1)SVシリーズの新製品「SV-20R」を開発しました。

自動車・医療分野などあらゆる分野での複雑形状の部品加工をターゲットとして、全世界へ向けて2016年5月より販売を開始します。


「SV-20R」は最大加工径を ø20mmとし、工具旋回制御軸(B軸)付きの8面タレット型刃物台を搭載しています。この8面タレット型刃物台は、旋回式回転工具ユニットを最大4箇所に装着可能で、プログラムによる自在な角度制御のほか、同時5軸制御などの多彩な加工バリエーションを実現しています。

また、多様化が進む部品加工ニーズに対応するため、ガイドブッシュ仕様、ノンガイドブッシュ仕様(注2)の切り換え方式を採用しています。モーターシャフトなど全長寸法が長い部品は、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュ仕様により、加工物のたわみを抑制することで高精度加工を実現しています。一方、ナットなどの短い部品は、ノンガイドブッシュ仕様に切り換えることで、廃棄される残材の長さを短くし材料コストを削減するなど、加工部品に応じた最適な仕様での加工を可能にしています。


写真:SV-20R

本製品の制御軸数は、直線9軸・主軸回転2軸にB軸(工具旋回軸)を加えた12軸です。正面加工用として、ガイドブッシュを中心に手前側に2軸制御のクシ刃型刃物台を、奥側に3軸制御のタレット型刃物台を配置しました。各々の刃物台を独立制御することで旋削・穴明け・ミリングなどの同時加工を可能にしています。また、背面加工用にはY軸制御付き8軸型ユニットを搭載し、正面/背面での工程分割および同時加工を可能にすることで、加工時間を短縮しています。

さらに、当社独自の制御方式であるスターモーションコントロールシステム(注3)を搭載することで、NC制御による運転時には必要な演算時間、工具選択時間などの非切削時間を徹底的に削減し、サイクルタイムの短縮を実現しています。




■「SV-20R」の特長

【高機能】
  • 8面タレット型刃物台に、B軸制御可能な2軸型回転工具ユニットを最大4箇所に取り付け可能。
  • 加工部品の全長寸法に合わせて、1台でガイドブッシュ仕様とノンガイドブッシュ仕様の切り換えが可能。
  • 背面加工専用のY軸制御付き8軸型ユニットには、全ポジションに回転工具ユニットの取り付けが可能。
【高生産性】
  • スターモーションコントロールシステムによる非切削時間の短縮。
  • 背面加工用としてY軸制御付き8軸型ユニットを採用。正面/背面同時加工を実現。
  • クシ刃型刃物台部回転工具モーターの出力を向上。(当社従来機比)
【高剛性/高精度】
  • ノンガイドブッシュ仕様には主軸筒すべり案内面構造(注4)を採用し、主軸剛性を確保。
  • メイン/サブ主軸にビルトインモーターを採用。ビルトインセンサーによる割り出し精度向上を実現。


■主な仕様

最大加工径 ø 20mm
主軸台最大移動量 ガイドブッシュ仕様 205mm
ノンガイドブッシュ仕様 50mm
メイン主軸最高回転数 10000 min-1
メイン主軸モーター 3.7kw (連続) / 5.5kw (10分/60%ED)
サブ主軸最高回転数 10000 min-1
サブ主軸モーター 2.2kw (連続) / 3.7kw (10分/25%ED)
クシ刃型刃物台仕様 バイト 6本 (□16mm) / 7本 (□12mm)
回転工具 5本
回転工具最高回転数 8000 min-1
回転工具モーター 2.2kw
タレット型刃物台仕様 工具装着ポジション 8面
B軸制御対応ポジション 4面
バイト Max.3本 / 面 (□12mm)
スリーブ Max.3本 / 面
回転工具 Max.2本 / 面
回転工具最高回転数 5750 min-1
回転工具モーター 2.7kw (連続) / 4.0kw (5分/30%ED)
バック8軸型ユニット仕様 工具本数 8本
回転工具最高回転数 8000 min-1
回転工具モーター 1.0kw (連続) / 1.2kw (5分/30%ED)
正面加工能力 【 固定工具 】 最大穴明能力 ø 14mm
最大切削タップ能力 M10 × P1.5
【 回転工具 】 最大穴明能力 ø 10mm
最大切削タップ能力 M8 × P1.25
背面加工能力 【 固定工具 】 最大穴明能力 ø 12mm
最大切削タップ能力 M10 × P1.5
【 回転工具 】 最大穴明能力 ø 6mm
最大切削タップ能力 M5 × P0.8
機械寸法 (幅 × 奥行 × 高さ ) 2730 × 1350 × 1865 mm

(注1) スイス型自動旋盤とは

スイス型自動旋盤は、時計部品を加工する機械として、1870年代にスイスにおいて考案されました。別名“主軸移動型自動旋盤”とも呼ばれ、直径に比べて部品長が長い部品を高精度に切削できる点が大きな特徴とされています。

一般的には、細長い部品を汎用旋盤で加工を行うと、加工物がたわみを起こして正しい寸法に仕上げることができません。

スイス型自動旋盤では、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュを用い、刃物はガイドブッシュから一定距離の位置で、外径方向の切り込み運動のみを与えるため、加工物はたわみを起こさずに、高精度に切削することができます。また、軸方向の運動は刃物台が移動するかわりに、主軸台が素材をくわえた状態で移動する機械構成となります。


(注2) ノンガイドブッシュ仕様とは

スイス型自動旋盤を基に、ガイドブッシュを取り外した主軸移動型自動旋盤です。ガイドブッシュが無いため、細長い部品加工には不向きですが、ガイドブッシュが無くても加工物がたわまない短い部品であれば、材料を有効に使用することができます。

スイス型自動旋盤では、材料の振れ止め装置の働きをするガイドブッシュ構造部の寸法分だけは、棒材の後端部分を加工することができずに残材として廃棄することになります。

ノンガイドブッシュ仕様では、廃棄される残材の長さをガイドブッシュ仕様の1/3程度に削減することができます。


(注3) スターモーションコントロールシステムとは

NC制御の場合、一般の加工工程は「工具選択」⇒「アプローチ」⇒「切削」⇒「退避」⇒「次の工具選択」⇒「アプローチ」⇒「次の切削」となり、実際の「切削」以外の非切削時間が加工時間に大きな影響を与えています。スターモーションコントロールシステムは、この非切削時間を短縮する機能です。

スターモーションコントロールのデータは、「最適化」処理によりNCプログラムを変換して生成することができます。この「最適化」により、NC制御では運転時に行われる演算処理を事前に完了させてしまうことで、非切削時間を短縮します。また、主軸変速などの各種制御を最適なタイミングでコントロールすることや、「工具選択」⇒「アプローチ」までの一連動作をスムーズな軌跡に変換することでも非切削時間を短縮します。

また、サイクルタイムの短縮以外にもさまざまな効果を発揮します。NC制御では非切削時の工程を最大早送り速度で軸移動します。一方、スターモーションコントロールシステムでは、他系統との待合わせ時間を最大限に利用して、最小限の加減速度で軸移動を行います。この早送り速度を用いない軸移動制御方式により、過度な振動を抑制して安定した加工精度を維持します。さらに、軸移動時のピーク電流抑制による消費電力の削減、ボールネジなどの消耗部品への負荷軽減による寿命延長にも貢献します。


(注4) 主軸筒すべり案内面構造とは

素材を把持した状態で移動する主軸台の主軸筒部分の外径寸法に合わせて加工した摺動面構造です。主軸筒と案内面の隙間をなくしたこの構造にすることで、切削時に主軸台にかかる加工負荷を加工点近傍のすべり案内面で支持し、主軸台の剛性を向上させることができます。





<問い合わせ先>
機械事業部 営業部 部長 増田 文雄(ますだ ふみお)
Tel.0537-36-5586

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